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異文化理解研修

仏大手企業への3日間にわたる異文化理解研修を終えての気づき

あえて社名は挙げませんが、世界最大の原子力産業会社の日本担当部署の方々へ3日間のオンライン研修を実施しました。

初めてのTeamsを使ってのインタラクティブなワークショップ研修でしたが、事前にしっかりリハーサルを行っていたこともあり、チャットやビデオの視聴、インタラクティブなラーニングアプリのWooclapを使って、とにかく参加者を飽きさせない、しっかり学びを習得できる充実したオンライン研修になるよう努めました。

もちろん、研修プログラムについても、参加者の抱えている問題を事前にヒアリングすることで、より感度の良いカスタマイズされたプログラムを提供することをつねに心掛けています。

文化的理解と知識を深めたうえで、企業文化の違いや日本的組織の中での決定プロセス、品質保証、トラブル解決法、さらには日本人との上手な付き合い方などについても、グループディスカッション、ケーススタディ、講師の実体験なども交えて進めていったので、受講後のアンケートを通して、とにかく受講して助かった、今後のやり取りの中で生かせると、大変ポジティプなフィードバックを得られたことで、プログラム作成準備の段階で50時間以上を費やしてフランス人のベテラン講師たちと議論を重ねてきたこともあり、まさに講師冥利に尽きました。

ところで、この研修を終えて感じた私なりの気づきについて、少しお話しします。

コミュニケーションにまつわる障害です。
英語でのコミュニケーションをメールなり、ビデオ会議を通して行うなかで、どうしても相手の意図がよく理解できないことが重なってしまうと、残念ながら無駄に相手に対する不安や不信感が募ってしまう傾向があります。

お互いが母国語ではない英語でコミュニケーションを取る場合、どんなに英語で流暢にコミュニケーションが取れていても、または、その場を通訳が介していても、お互いに思考回路、マインドセットは母語のままなのです。これについては、後日詳しく解説していきたいと思います。

その他、日本人のジェスチャー、ノンバーバルなコミュニケーションも理解できませんので、Yesと解釈してしまい、後々になって非常に混乱する状況が数多くあります。
日本人はよく会話の途中で「はい」とか「ええ」とか相槌を打ちますけど、相手はYes / Agreeと受け止めてしまうのです。意思決定の遅い日本企業のメカニズムをよく理解している外国企業は少ないと思いますので、イエスと言っていたにもかかわらずメールの返事がいっこうに帰って来なかったり、最終的にネガティブな返事が返ってきたりすると、話が違うということになって無駄に不信感を募らせてしまうのです。

また、日本的経営と欧米的経営の大きな違いだと思うのですが、特にフランス企業では結果主義で、目標達成に非常に重点を置くので、効率的な方法でゴールを達成することに注力します。
一方、日本企業は非常にプロセス重視ですので、共同開発などを進めているなかで、フランス企業にとっては、取るに足りない大きな流れの中での一つのプロセスが別の方法で行われても誰もそこで開発を止めようとはしないのですが、日本側では一大事となり、そこで全ての開発が止まってしまうということが度々あります。プロセス遵守は大切ではありますが、それを相手側にしっかり理解してもらう努力や、臨機応変に歩み寄る努力もグローバル化の時代にビジネスを進めていくうえでは必要かもしれませんね。

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